地域別の特徴
パリの周辺地域
パリはフランス最大の都市であり、同国の政治、経済、文化などの中心です。また、ニューヨーク、ロンドン、東京などと並ぶ世界トップクラスの世界都市でもあります。 ケスタ地形を呈するパリ盆地のほぼ中央に位置し、市内をセーヌ川が貫く。この川の中州であるシテ島を中心に発達しました。北緯49度とやや高緯度に位置するが、温かい北大西洋海流と偏西風によって一年を通して比較的温暖となっており、西岸海洋性気候の代表的な都市です。 市域人口は1950年代の約290万人を絶頂に減少し続けたが、ここ数年は微増傾向に転じており、2007年現在で217万人です。2010年の近郊を含む都市的地域の人口では1,000万人を超えており、ロンドンを凌ぐEU最大の都市部を形成しています。 パリ出身者・居住者は男性がパリジャン、女性がパリジェンヌと呼ばれます。1960年代以降、旧植民地であったアフリカ中部・北部やインドシナ半島、更に近年は中近東や東欧、中国などからの移民も増え、パリジャン・パリジェンヌも多民族・多人種化しています。 2012年、アメリカのシンクタンクが公表したビジネス、人材、文化、政治などを対象とした総合的な世界都市ランキングにおいて、ニューヨーク、ロンドンに次ぐ世界第3位の都市と評価されました。
リヨンの周辺地域(南東部地域)
リヨンの近郊にはリヨン市の人口を含め、16万人が住み、都市圏としてはフランス第二の規模を持ちます。 フランスにおける金融センターのひとつであり、多くのフランスの銀行の本店が置かれます。永井荷風が横浜正金銀行の社員として滞在したこともあります。 ローマ帝国のガリア属州の植民市ルグドゥヌムとして古代から栄えた物資の集散地であり、中世には市の立つ町としてヨーロッパでも有数の交易地として栄えました。また、絹織物の産地としても知られます。旧市街はユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されています。
ストラスブールの周辺地域(北東部地域)
ストラスブール(シュトラースブルク)の語源はドイツ語で「街道の街」であり、交通の要衝として栄えます。ライン川にフランス最大の河川港をもち、交通の便の良さから商工業が盛んです。 かつてはドイツの神聖ローマ帝国に属したが、近世初頭にドイツの混乱に乗じてフランスが侵略して併合します。以降、ドイツとフランスが領有権を争った土地として有名です。言語や文化の上ではドイツ系であるといえるが、下記のように1944年以降、政治的にはフランスに属します。 現在は欧州評議会や欧州人権裁判所、またEUの欧州議会の本会議場を擁し、ベルギーのブリュッセルと共にEUの象徴的な都市の一つとなっています。 グーテンベルクやカルヴァン、ゲーテ、モーツァルト、パストゥールなども人生の一時期をこの地で過ごしました。 2007年6月10日にはTGV東ヨーロッパ線が開業し、パリ東駅と2時間20分で結ばれました。
トゥールーズの周辺地域(南西部地域)
トゥールーズはパリ・マルセイユ・リヨンに続くフランス第4の都市です。大西洋と地中海の中間地点に位置し、スペインとの境界であるピレネー山脈との近いため、フランス南西地域の歴史の中心地です。太平洋と地中海をつなぐミディ運河の出発点で、反乱と宗教紛争も多かったが、世界大戦の間被害を全然受けなかったおかげで、各種文化財や遺跡地がありのままに保存されています。中世には羅紗の市場でしたが、穀物・皮革の取引が始まり、現在は農産物の大市場になりました。ピレネー山の谷に水力発展と付近の天然ガスを使って、第1次世界大戦の後、非鉄金属・繊維・製紙などの工業が起こり、その他に機械・化学(肥料・質素・火薬)工業も発達して、現在は航空機工業の中心地になり、国立航空学校と宇宙工業研究所も設置されています。それで、古典的な香りと先端的な感じを同時に受けることができます。
トゥールの周辺地域(北西部地域)
パリの南西側のロワール川とシェール川の間に位置しているトゥールはパリ・ボルドー・ナントをつなぐ鉄道の交差点で、ロワール川の周辺に散在する古城を巡礼する観光中心地でも有名です。1980年代からパリ地方の機械の組み立て・化学製品・製薬産業の分散政策が施行されてからこの地方は急速に成長しはじめました。中世は精密絵・絹織物の中心地であり、学芸もかなり盛んで、サン・ガシアン大聖堂をはじめ優れた建造物と美術品が多いです。特にサン・ガシアン大聖堂は華麗なゴシックとルネサンス様式の変遷期を見せます。ロワール川の南側とナシオナル通りの西側は砂利で舗装された街と古い家屋が保存されています。